白い集団

白い集団/私が実際に体験した怪談・奇談
約20年前、大学生時代の実家への帰省中に体験した怪談話です。

鹿児島から実家のある大分まで帰省する際、宮崎で乗り換え経由して電車で帰っていましたが車を所有してからは高速道路を走って帰るようになりました。

電車で帰る方が楽なのですが、自分で運転する方が楽しいと感じていました。

いつもですが帰省すると決めた日に早く出ればいいものをダラダラしていると気がつけば夕方になり、夏でしたが日も暮れつつありました。

鹿児島から実家の大分まで約5時間のドライブ。

夜の高速道路を鹿児島から快適に熊本を通過、鳥栖ジャンクションで大分方面へ、別府ICで降りて国道、そして県道を走っていました。

実家まであと数キロという所です。

夜中11時を過ぎた頃なので対向車もなく、道路沿いの住宅の灯りもあまりついていませんでした。

ほぼ一直線の道。

少し向こうに人の姿が見えます。

数人のグループのようでした。

初めは人がいるなぁぐらいにしか思っていなかったのですが、近づくにつれ異変を感じました。

辺りを照らす照明があるわけでもなく、懐中電灯を持っているわけでもないのに人の姿がぼんやりと白く浮き上がって見えたのです。

夜にウォーキングをするような反射素材の物でもありません。

一本道で曲がって回避することもできないのでこのまま直進してすれ違うしかないという思考とは裏腹になぜかブレーキを踏み、停車してしまいました。

心拍数が上がる中、さらに思考はあの集団は何なのか?ということでいっぱいになりました。

当時、暇さえあればインターネットで都市伝説やUFO、怪奇現象などを漁るように検索していましたが、思考が行き着いたのは「7人ミサキ」と「百鬼夜行」でした。
※ご興味のある方はウィキペディアなどでお調べください…

ということはいずれにしてもこのままあの白い集団に捕まればあの世に連れていかれてしまうということになる?

ここでもう一つ思い出したのが、安倍晴明と賀茂忠行が百鬼夜行に遭遇したが牛車に隠れて百鬼夜行をかわしたという話です。

しかし何ができるわけでもなし、とにかく社内で静かに身を隠して通り過ぎるのを待とうと思い、車のエンジンをきって社内からドアのロックをかけ、運転席と助手席の間から後部座席に移動して後部座席の足元にうずくまりました。

そうこうしていると私が心霊スポットに行くと聞こえる高音の金属音のようなキーンという音が聞こえ始め、数人が足を引きずるような足音とはっきりとは聞き取れないがブツブツ言っているような人の声も近づいてきます。

体の震えが止まらず、汗も吹き出しはじめ、とにかく耳を塞いで過ぎ去るの待つしかありません。

耳を塞いでいてもあのキーンという音は聞こえていましたが、逆に徐々に遠ざかって行くのも分かりました。

キーンという音が聞こえなくなってもまだ恐ろしくて後部座席の足元から動くことができませんでした。

たぶん10分近くはうずくまっていたと思います。

もうそろそろいいだろうかと思った時でした。

ドンドンドン!と窓を叩く音に私は悲鳴を上げてしまいました。

「大丈夫ですか!?」

その言葉に恐る恐る外を見てみると赤い光とともに男性の姿がが見えました。

男性は警察官、赤い光はパトカーの赤色灯でした。

ホッとして、ドアロックを解除して外に出ました。

震える足で踏ん張りながら警察官からの質問を聞きましたが、流石に「霊が…」なんて言っても信じてもらえないだろうから少し気分が悪くなったことを伝えると、路肩に車を寄せてないことを注意され、ついでにアルコール検査もさせられました。

アルコールが出るわけもないのですが、仕方なく対応しましたが警察官が「最近、この辺りで夜に車の単独事故が多いので気をつけてください。」と言われました。

ほぼ真っすぐの見通しの良い道路なのに…。

その後、実家まであと少しの所まででしたが帰り着くまでパトカーに追走してもらい、親にも怒られました。

この一度きりの遭遇でしたが、あの白い集団は何だったのか…

とにかく私が体験した霊体験の中で1、2を争う出来事でした。


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