盛塩の効果

盛塩の効果/私が体験した実話の怪談・奇談
下手なお祓いや術式は効果がなかったり、逆に危ないという話を聞いたことがあるでしょうか?

数年前のある日、日が変わる時間近くまで残業をしていました。
数時間前に他の社員は退勤して事務所内には私一人。
聞こえるのは空調の音と私が打つキーボードの音、そしてたまに事務所前の国道を走り抜ける自動車の音ぐらい。

自分が残業しているのは社員のデスクが並んでいるワークフロア。
壁一枚隔てて、会議室があるがその会議室から明らかに人が座る前に椅子を引くような「ギギー」という音が聞こえた。
おかしいな?と思い、会議室の扉を開けてみると当然会議室は真っ暗、そして長机も椅子も整然と並んでいる。
聞き間違えかな?とデスクに戻って残業を続け、ある程度の所でその日は退勤した。

残業は一週間程度続いた。
なんで自分だけが?と不満を持ちながらも納期に間に合わせることもできてホッとした。
しかしこの残業期間の間、何度か違和感を感じていた。

フロアと靴が擦れるキュッと言う音。
勝手に開く会議室のドア。
誰かがいるかのような雰囲気でした。

ナニカがいるんだろうな・・・と思いつつ、害意はなさそうなので残業を早く終わらせるために集中した。

明日でなんとか終わりそうだ・・・という見込みが見えてきた夜中、ガチャッと従業員出入り口が開いたことに驚かされた。
振り返ってみると経理部の女性社員(年齢、社歴的にお局様的存在)が入ってきた。

何か忘れ物をしたらしく取りに帰ってきたらしいのだが
お局様から「良かった~、いてくれて。」と安堵のような言葉が漏れた。

「それどういう意味です?」と聞いてみると以前お局様が残業を一人でしていた際に誰かがいるような気配がしたのでそれ以来、極力一人で残業しないようにしていたらしい。

内心、「やっぱりか!」と思った。

建物の構造上2つしかない出入り口はない。
お局様はいつの頃からかその2つしかないお客様出入り口と従業員出入り口に盛塩が置くようになっていたがナニカを感じていたからだろうと合点がいった。
マメに新しい盛塩と入れ替えもされていた。

約一週間の残業が終わり、その後はなるべく残業しないでいいようにしていたがやはり特急の行のために時々残業をすることがあったが、やはりナニカがいる気配を感じることがあった。
また、私以外に残業することがあった他の社員さんからも「残業していると誰かいるような物音がして怖かった・・・。」という話も聞いた。

数年後、お局様は諸事情で退職された。
そして盛塩を新しいものと入れ替える人もいなくなった。

ある日、朝の掃除をしているとある社員が「もうこの盛塩、固まって見栄えも悪いので撤去ちゃっていいですか?」と言い出した。賛同するものも多数いたため、あっさりと撤去されてしまった。

そして特急業務のために残業しなければいけない日がやってきた。
以前からあまり害意的なものは感じなかったため、そんなには恐れていなかったがやはり気になるもの・・・。
しかし全くと行って以前のような気配や物音はないまま、残業で作成する書類も出来上がった。

その後も何度か遅くまで会社に残ることがあったが、一切何もなかった。

考察するに穢れを祓う、霊的なものが入ってこないようにするための盛塩が逆効果を発揮して霊的なナニカを閉じ込め・足止めさせてしまったのかもしれない。
あくまで霊的なナニカが人型タイプで入り口・出口という概念があるという前提だが。
盛塩の効果、恐るべし・・・。