私が大学に入学した頃にはリングのヒットでホラー映画が流行っていた。
ちなみにリングは彼女の家で二人で観たが内容よりも要所で悲鳴を上げて、私の腕を掴む彼女の方が怖かった。
(惚気ではないw)
私がたまに顔を出す(ほぼ幽霊部員だった)サークルでも実際に映画館に観に行ったり、部室やサークル部員の誰かの家で鑑賞会などを行うほどだった。
部室で開催する鑑賞会の際に顔を出した時に数人から来週公開のホラー映画を観に行かないかと声をかけられたが既にメインにしているサークルのイベントがあったため断った。
鑑賞会終了後には怪談話大会になるわけだが、話の上手下手が極めて分かりやすい内容だった。
一人だけ一目置いていた先輩Eがいて、以前に質問すると霊感があるという人だからこそか披露する怪談の内容も秀逸だった。
ちなみにE先輩が怪談話をする時はサークル棟の軋み、家鳴りが酷かったのを覚えている。
E先輩絡みの怪談と「サークル棟も出る」と言われていた話はまた別の機会にお伝えできたらと思います。
後日、公開された映画を観に行ったサークルの同級生から
「めっちゃ怖かった。」
「かなりヤバかった。」
という感想を聞かされたがE先輩も観に行っていたそうだ。
そして学食で昼飯を食っていた時、E先輩を見かけた。
ちょっと遠目だったが声をかけるといつものように軽く手を上げて応対してくれたもののなにか疲れた様子だった。
E先輩から
「そう言えばお前、霊感あったよな?」
と会話の途中で唐突に聞かれ
「まぁ、一応。」
と答えた。
「この前観に行ったあの○○○○って映画な、本物映ってた。観に行かない方がいいぞ。俺、当てられたわ。」
E先輩が体調悪くなったのはそのせいらしい…
「マジ、リングかよ」
と思ったが冗談ではなさそうなE先輩の口ぶりに絶句した。
映画館苦手なので観に行くことはなかったが、その後ビデオでレンタルが始まってもそのタイトルには手を出さなかった。
あれから約20年が経ちましたが、観てはいけない映画のタイトルが思い出せない…
いや、思い出さない方がいいのだろう。