私は高校を卒業して大学浪人を1年間していました。
センター試験を終えて国立大学の2次試験と私大の試験で浪人していた福岡の予備校の寮を起点に東京や大阪、鹿児島など各地を行ったり来たりしていた。
2回目のセンター試験の出来もあまりできが良くなかったため、私大でもとにかくどこかに受からなければという焦りは強かった。
試験には前日入りしてホテルから大学までの順路を確認などして翌日に試験を受けるのだが、試験も心配だが、個人的にはホテルの部屋も心配事の1つでした。
ホテルに着いてチェックインして部屋の前に立ち鍵を開けて中に入る瞬間が1番緊張する。
昔から家族旅行の際もドアを開け入った瞬間にゾクッと感じた場合、何かしらの霊的体験をするからです。
福岡で受けられる試験は除き、東京と大阪に2回ずつ、愛知に1回、鹿児島に1回の合計6ホテルに泊まったが1回目の大阪と2回目の東京のホテルで金縛りにあった。
東京も大阪も泊まったホテルは名も知れたちゃんとしたホテルで、いかにも出るような雰囲気のホテルではない。
部屋に入ってゾクッとした瞬間、「はー。」とため息をついてしまうのだが、荷物を置いてすぐに大学までの順路確認に出るのだった。
大阪のホテルでは夜中に「カリカリカリ」という音に起こされた瞬間に金縛りにあった。
朝起きるとなんか体がだるくて試験も感覚的に散々だった。
2回目の東京のホテルの時は東京について先に大学までの順路確認して夕方にホテルに向かった。
ドアを開けてゾクッとくる感覚にため息をつきながら、荷物を置いて椅子に座った瞬間、部屋の備え付け電話が鳴って強烈に驚いた。
恐る恐る電話に出てみるとホテルの受付からだった。
ホッとしながら外線につないでもらうと電話の相手は母からだった。
先週、試験を受けた鹿児島の大学からの合格通知が届いたらしい。
電話を切ったあと1人小躍りした。
そのあとも次の日の試験に向けての勉強も手につかず、寝た。
夜中起きるとうつ伏せ寝のまま金縛りになった。
誰かが顔を除き込んでいるような感覚だったが、この時は怖いよりも面倒くさいなーというのが正直な感想でまた眠りに落ちた。
次の日、試験もそこそこに足取り軽く東京駅から新幹線に乗り福岡の予備校の寮に帰った。
社会人になって出張で北は北海道、南は沖縄まで様々な地域に行くことがあるが金縛りにあうことはほとんどないが、今でもホテルの部屋に入る瞬間はドキドキします。