猫?

猫?/私が体験した実話の怪談・奇談
私が大学時代に住んでいた鹿児島のアパートでの話です。

夏の夜、私は長時間エアコンにかかっていると体調が悪くなるので夜になるとベランダに出る掃出し窓を開けて網戸にしておくことが多々ありました。

ある日の夜、気がつくと網戸越しにベランダに真っ白な猫がいました。

アパートの近くには公園があり、野良猫がたくさんいたのでそのうちの一匹がやってきたのだろうと思いました。

白い猫は網戸に体を押し付けてこちらにアピールしているようでしたが、居着かれても困るので放っておきました。

また別の日にもその白い猫が来ることがあり、いつしか夜に猫が来ることが当たり前のようになっていました。

ある夜、横になってテレビを見ながらウトウトとしていました。

気がつくともう放送は終わっていて夜中に流れているカラーバーが「ピーーーー」という耳に障る音とともに写っていました。

ああ、寝てしまっていたと意識朦朧としながら目線を掃出し窓の方にやりました。。

その日も掃出し窓を開けて網戸にしていましたが、網戸越しに白っぽい何かがいるのに気が付きました。

また猫が来たんだなと思いましたが、よく見ると

人の顔?

そう思った瞬間に自分が金縛りであることに気づきました。

人の顔のような物体は猫が体を網戸に押し付けるように網戸にくっつくと徐々に網戸をすり抜けて部屋に侵入してきました。

私は金縛りのままその顔のような白い物体をただ見ているしかありませんでした。

白い物体はふわ~とゆっくりした速度で玄関の方へ移動していきました。

どれぐらいの時間が経ったのかわかりませんが、金縛りが解け、体が自由になりましたが、部屋内の空気を伺いながらそ~っと起き上がり、玄関の方を恐る恐るみましたがその白い物体はいませんでした。

その夜以降も掃出し窓を開けて網戸にしておくことがありましたが、白い顔のような物体もあの白い猫がやってくることもありませんでした。

この他にも金縛りや風呂場など霊的体験が多かったアパートの部屋…よくよく考えると事故物件ではないにしても霊の通り道か何かだったのかもしれませんね。


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