緑の妖精 冷蔵庫の奇談

緑の妖精/私が体験した実話の怪談・奇談
瞬間的に目が覚めて、直後に金縛りにあった。

小学生の頃から金縛りにあっていたので、鹿児島で一人暮らしを始めてからも金縛りにあってもそんなに驚くことはなかった。

金縛りになるとどれぐらい自由がきくのか試してみたりもした。

ほとんどの場合は目が動かせるぐらいだが今回も同様だった。

ハイベッドでうつぶせ寝の状態で金縛り。

視界には座卓テーブルがギリギリ見えるぐらいだった。

以前の金縛りでは仰向け状態で気がつくと胸の上に老婆が正座していてビビったことがあったが今回は何が起こるのだろうかとうつぶせ寝で限られた視界と周りの気配を探っていた。

ガパッと台所にある冷蔵庫が開く音がした。

冷蔵庫は流しの横、一番玄関側にあるので私からは見えない。

トットットと軽快に子供が歩いてくるような足音がした。

足音は止まることもなく部屋に入ってきた。

台所と部屋を仕切る戸を閉めておけばよかったと後悔した。

うつぶせ寝で金縛りにあっている私の目に映ったのは緑色にぼんやりと光る幼児ぐらいの人型だった。

直感で「緑の妖精だ!」と思った。

緑の妖精は座卓テーブルの周りを一周するとまた台所の方へとスピードを変えず歩いて行った。

そして冷蔵庫がバタンと閉まる音とともに金縛りが解けた。

急いで部屋の電気を付け、落ち着くために煙草を一本。

吸い終わってから台所の冷蔵庫へ恐る恐る近付いてみた。

緑の妖精が飛び出してくる様子はない。

思い切って冷蔵庫を開けてみた。

冷蔵庫の中にも異変はない、緑の妖精もいない。

いったい何だったのだろうと思い、もう一度冷蔵庫の中を確認してみる。

一番下段にある物体に目が行った。

それはいつ使ったか思い出せないラップに包まれたキャベツの残りだった。

つまり緑の妖精はもったいないおばけだ。

(あれ?もったいないおばけって知ってますか?
※公共広告機構(ACジャパン)の1982年度公共広告作品。)

それ以来、野菜は使い切るか、残ったら確実に捨てるように心掛けた。


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