福岡の予備校で大学浪人中の夏に母方の祖母が亡くなったので、私が大阪へ向かった時の話です。
本編【後ろから呼ぶ声】はこちらから↓
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斎場に着くと親戚に挨拶をしてから親族控え室で喪服用のスーツに着替える事に。
喪服用のスーツは高校を卒業後に何かあった時のためにと購入していたスーツだったが、まさかこんなに早く着ることになるとは…と思いつつ着替え始めた。
ズボンを履き、ワイシャツを着ている時のことだった。
なんだか首が苦しい、違和感を感じたのだった。
その瞬間、私を見る母の目が恐ろしい物を見る目だった事にも気付いた。
親元を離れての生活に不安を感じながらも寮ということもあってすぐに友達もできて慣れてきた浪人生活。
寮には男ばかりだが約200人の浪人生が入寮していたが飯を食ったり、買い物に出かけたりする10人程度のグループが自然とできていた。
梅雨がそろそろ明けるかという時期だった。
夕食後に食堂で寮内唯一のテレビを見ながらくつろいだり、談笑していると友人の一人が「暑いな。アイス食いたくない?」と言う。
すると他の誰かが「門限まで時間があるな!コンビニに行こう!」と言ったので一斉に動き始めた。
寮からすぐ近くに福岡県では有名なポプラというコンビニがあり、そこまでダッシュした。
ダッシュすれば暑さが増すのだが、その矛盾がアイスクリームをより一層美味しくさせた。
予備校の1学期が終わり夏休みに入るが、それと同時に任意参加の夏期講習が始まる。
ゴールデンウィークは実家に帰る者が多かったが夏休みはお盆が近くなってから帰るという者が多く、寮には割と多くの浪人生が残っていた。
夏期講習は1日中あるわけではなく、選択性で自分に必要な講義に申し込むため私の場合は午前中に予備校に行き、昼間は帰ってきて、夕方また予備校に行くというような感じだった。
昼飯を食ったあと「アイス、食いたくない?」と誰かが言い出し、買い出しのジャンケンが始まる。
昼間は光熱費を浮かせるために寮の1階にある自習室にいることが多かったが、自習室と言っても勉強はそこそこに気の合う友達と話をしていることが多かったが、3時が近づくとまた「アイス、食いたくない?」と誰かが言い出し、買い出しのジャンケンが始まる。
気が付けば毎日のようにアイスクリームを食べていた。
斎場の親族控え室で喪服用のスーツに着替えのワイシャツを着ている時のことだった。
なんだか首が苦しい、違和感を感じた。
その瞬間、私を見る母の目が恐ろしい物を見る目だった事にも気付いた。
ワイシャツの首のボタンをとめるとパンパンで、それは苦しいに決まってる。
母が笑いをこらえながら「あんた、太ったな!」と。
直感的に毎日のアイスクリームだ!と思った。
結局、祖母の霊前で申し訳ないが一番上のボタンはとめずにネクタイを締めることで乗り切ったが、正直ズボンが入らない!という事態でなくてよかったと思った。
大阪での葬儀を終えて福岡の寮に帰ったが、寮の友達をまじまじと見ると人により差はあるがみんなや入寮時から太ったなと。
晩飯を食いながらワイシャツのボタンの話をグループのみんなにしたが笑う者もいればヤバイ!と言う顔をする者もいた。
ふと時計を見ると門限まであと少し。
誰かが「食後のデザートにアイス、食いたくない?」と言った。
私が「アイスクリーム怖い」と言うと「饅頭怖い…か?」とツッコミが入り一同爆笑、そして一斉にコンビニへとダッシュしました。
正直、浪人中に10キロ近く太りました。
現在、浪人中の方がいれば夏のアイスクリーム、冬の肉まんにお気を付けください…。